京都府 京指物

 京指物の歴史

大工職から分化して誕生。
京都千年の歴史を受け継ぐ

京指物指物とは板と板、板と棒、棒と棒とを組み合わせてつくる木工芸で、京指物は平安時代が起源だといわれています。当時は宮廷で使う箱物類や、寝殿造りの一部として活用されていたそうです。指物は大工職がつくっていたのですが、室町時代になると、指物師と呼ばれる専門職が誕生。公家を中心に、箪笥、机などの調度品を生産していました。その後、茶道文化の開花により、茶道具の一部にも使用されるようになり、京指物はさらに発展したのです。町人文化を受け継ぐ江戸指物に対して、京指物には宮廷・公家文化が息づいています。そこに、京都千年の歴史が刻まれているのです。

 京指物の魅力

木目を活かしたデザイン性と
親子孫の三世代にわたる耐久性

京指物京指物は、無垢板の高級和家具といった調度指物や、桐、杉、欅(けやき)の素材を活かした挽物、曲物、板物の茶道具指物など多彩。木を組み、指し合わせる技法も、職人によって異なり、多種多様な表情を見ることができます。木目の美しさはさることながら、日本の気候に合わせて、長く使用しても狂わないように整えるなどの機能性も魅力。特に桐を素材にした箪笥は、湿気・熱に強いことから、三世代にわたり使用できる高級品として重宝されています。公家文化が育んだ優雅で精緻な木工芸は、洗練されたデザイン性を追求した証しだといえます。

 京指物ができるまで

反り・木目など特性を見極めて
京都らしさをつくりだす

京指物ができるまで伝統的な桐の箪笥を紹介します。まず、原木を板目、柾目(まさめ)などに割りわけ、1年以上、自然乾燥させます。乾燥材を製品のサイズに合わせて位置づけ、木取りをします。反りやねじれがある木取りの板を矯正。水や火を使っての矯正は熟練した職人のワザが必要です。その後、荒削り、寸法決め、組手加工、木釘づくり、組立、仕上削りを経て、仕上加工を行います。どの工程でも、道具の使い分けが肝。道具と一体となることで、洗練されたワザが際立つのです。また、京指物の仕上げの基本は、美しい木目を活かすこと。そのために、研ぎ仕上げや蝋拭き仕上げなどの技法が確立しました。桐の箪笥の場合は、花いぼたろう(いぼた虫が分泌する蝋質のもの)を木綿袋に入れてこすり、磨き上げます。最後に、漆絵や箔絵などを施して完成です。

主な産地・拠点 京都府
このワザの職業 指物師
ここでワザを発揮 箪笥、飾棚、茶道具
もっと知りたい 京都伝統産業ふれあい館