指物師

 どんな仕事?

箪笥や茶道具を木と木の組み合わせでつくる

釘などの接合金属を用いずに、キリ、スギ、クワ、ケヤキといった木同士を組み合わせて家具類をつくります。室町時代以降に大工職から派生して、指物職人としての地位を築きました。木を指し合わせるほか、彫物、挽き物などの技法も駆使しながら、小型の茶道具から大型の調度品まで幅広い製品を作っていきます。できあがる製品には、巧妙に考えられたワザが息づき、組み手が見えません。また、木目の美しさを引きだしつつも、数十年使ってもらえる家具類を製作するために、将来起こりうる木の反りや色合いの変化などを予測。こんな風にしてほしいという顧客からの要望にも的確に応えます。

 こんな人に目指してほしい

計算しつくされた精緻なワザで実用にも応える

板と板、板と棒、棒と棒とを組み合わせてつくる指物は、まるでパズルのようです。さらに木の材質、サイズ、形ごとに様々な道具と彫り方で対応していくので、いろんな角度から製品をつくりあげたい人に向いています。それゆえ、一人前になるのに10年以上かかるといわれています。また、顧客の頭の中にあるイメージを形にするためのクリエイティブな発想も重要です。伝統工芸品としては、優雅さを誇る京都の京指物と、素朴で粋な東京の江戸指物が有名。自身の好みに応じて、地域を選べるのも特徴のひとつです。指物は、箪笥や机といった身近なものばかり。自分の手でつくった製品に囲まれた暮らしも実現できます

 指物師への道

最低でも10年以上修行。
職業訓練校でも知識は身に付く

学校を卒業後、職業訓練校の木工科や、指物師への弟子入り、家具製作会社への就職で第一歩を踏み出せます。多種多彩な指物を身につけるため、10年以上の修行が必要です。道具と一体化してこそ、一人前だといわれています。

この職人がつくるモノ・コト 箪笥、飾棚、茶道具・邦楽用品、机、台、箱物、火鉢
このワザに関わる資格 家具製作技能士
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