宮絵師

 どんな仕事?

寺社仏閣の壁、柱、天井を絵で彩る伝統のワザ

神社や寺院で、天井や壁、襖(ふすま)、建物などに絵を描く職人です。蘭(らん)、水仙(すいせん)をはじめとする四季の草花はもちろん、人を惹きつける幾何学模様や美しい風景、今にも飛び出しそうな龍など、多彩な表現方法で寺社仏閣を彩ります。飛鳥時代に確立されたといわれる寺社仏閣。そのため、千年以上前に描かれた絵の修復を依頼されることもあり、多様な宗教、時代によって異なる建築様式など、深くて広い学識が要求されます。古来の日本の伝統美を守り、伝承させるのも、宮絵師の仕事なのです。

 こんな人に目指してほしい

千年以上の歴史を受け継ぎ、日々努力する心

「絵を描くことが好き」「寺社仏閣の歴史を受け継ぎたい」「平穏の心を大切にしたい」と思っている人におすすめです。宮絵師は、天井や屏風(びょうぶ)、柱など、様々な場所に彩色を施すため、画力や歴史・技法の知識のほか、柔軟な発想力も必要とされます。先人たちが築いたワザをしっかりと継承し、自分らしい絵を描きましょう。寺社仏閣に訪れた人々が、思わず心が和む雰囲気は、宮絵師の手にかかっているといっても過言ではありません。

 宮絵師への道

直接、弟子入りや
宮絵を専門にする研究所に入所

特に資格や学歴は必要ありません。中学・高校を卒業後、宮絵師に弟子入りするか、寺社仏閣の絵を専門にする団体・研究所への就職で道が開けます。花鳥風月の絵や仏像彫刻の彩色など、幅広い腕が要求されるため、一人前になるのに、かなりの年月がかかります。コツコツと努力を重ねて、キャリアアップを目指しましょう。

この職人がつくるモノ・コト 宮絵 屏風 天井絵
このワザに関わる資格 特にありません
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