求道者たち vol.37
備前焼~後編 2019/3/2

備前焼千年の歴史を前へ進める、若き陶芸家たち。

ひかる個性、備前焼陶友会青年部。

 土と炎。構成要素はシンプルなのに、一つとして同じものが生まれない備前焼。その魅力にとりつかれ、自分らしい備前焼を追求する備前焼陶友会青年部所属の若手作家をご紹介していきましょう。作家それぞれの陶印も紹介していますので、作品を手に取る機会に、底に刻まれた印もぜひ確かめてみてください。なお備前焼陶友会会員の作品は、備前市伊部の「伊部」駅に直結する「備前焼伝統産業会館」2階のショップでお買い求めいただけます。(記事冒頭の写真は「備前焼伝統産業会館・2階」に集まった青年部のみなさん)
●備前焼陶友会 公式WEBサイト/https://touyuukai.jp/


大石橋宏樹(おおいしばし・ひろき) /青年部会長
[ひとことPR]制作の理念は、師から受け継ぐ「単純・明快・豪放」。
[手に持った作品]備前青大皿
[経歴]1973年 東京都武蔵野市生まれ/1998年 帝京大学法学部卒業、故 藤原雄先生、藤原和先生に入門/2006年 国際ロータリークラブ2690地区GSEメンバーとして韓国、(大邸)に1ヶ月の研修参加/2007年 独立、地上式登窯築窯/2008年 吉備高原学園高等学校(陶芸コース)非常勤講師に着任/2009年 啓明学院中・高等学校前島陶芸講師に着任、前島キャンプ内に穴窯築窯、37thフジサンケイクラシック入賞者記念品採用、岡山県ロータリークラブ「職業奉仕賞」受賞、天満屋岡山店にて初個展、日本伝統工芸支部展入選、茶の湯造形展入選、備前陶心会展入賞

森 大雅(もり・たいが) /幹事
[ひとことPR]旅好きなので備前焼を通して様々な場所へ出かけます。今の時代ならではのジャンル(スピーカーや蝶ネクタイ等)にも挑戦しています。
[手に持った作品]土の個性を見せたく、掘ってきたままの原土を壺型の球体に付けました。
[経歴]1974年 備前市伊部生まれ/2000年 備前陶芸センター卒業、祖父・風来の窯を受け継ぎ陶刻を木村玉舟に学ぶ/2001年 駒沢・陶美土里にて個展(以後8回開催)/2003年 国際アート未来展新人賞(彫塑) /2005年 銀座松屋にて個展(以後8回開催) /2008年 国際アート未来彫塑部門新人賞受賞、軽トラックに乗る極小の移動式穴窯を作り焼成/2009年 日本工芸会中国支部展入選、岡山県美術展示会入選/2010年 日本工芸会中国支部展入選、岡山県美術展示会入選/2011年 田部美術館「茶の湯の造形展」入選、陶芸財団展ポーラ伝統文化振興財団賞受賞/2013年 フランスにて備前式の穴窯を作成・焼成、Adrien-Dubouche国立陶磁博物館にて展示・講義、ギャラリーハヤサキ(パリ)グループ展、ドイツ人陶芸家と焼却炉で極小の薪窯を共同制作/2014年 2ヶ月間アメリカを横断しながら展示・講演・交流、裏千家ニューヨーク出張所にてグループ展/2016年 備前焼スピーカーを制作しミラノサローネに出品/2017年 ベルリン陶芸美術館茶道展展示・講演、中国天台山民族博物館文化交流展示、台湾にて展示会(2回)

藤原賢史(ふじわら・けんじ) /副会長
[ひとことPR]太古から授かった素材を大切にし、「今」の空間、時間に溶け込む自然な作品づくりを心がけています。
[手に持った作品]控えめなフォルムの中に、動きのあるカタチを目指しました。
[経歴]1976年 父・陶臣の二男として生まれる/1997年 大阪芸術大学付属大阪美術専門学校卒業/1998年 備前陶芸センター修了、父・陶臣の元で作陶を始める/2005年 第35回全陶展入選、第56回岡山県展奨励賞受賞/2006年 三越新潟店にて作陶展、第36回全陶展入選/2012年 第63回岡山県展奨励賞受賞、JR大阪三越伊勢丹にて作陶展/2013年 JR大阪三越伊勢丹にて作陶展/2014年 第65回岡山県美術展覧会入選/2015年 第32回 田部美術館「茶の湯の造形展」入選

竹内千恵(たけうち・ちえ)
[ひとことPR]備前焼の素敵なところを、たくさん知っています。
[手に持った作品]「猫の盃」です。どこかの誰かに、楽しんでいただきたいです。
[経歴]1976年 岡山県和気郡生まれ/2002年 備前陶芸センター修了、窯元・備州窯にて山本雄一師に師事/2006年 父・竹内靖之のもと作陶に励む

好本康人(よしもと・やすひと) /副会長
[ひとことPR]轆轤を使わず、主に動物など「細工物(さいくもの)」と呼ばれるものを制作しています。
[手に持った作品]一日の大半を寝て過ごすので、昔は「寝子」と書いたそうです。猫の持つ独特に緊張感が出せれば良いなと思い制作しました。
[経歴]1976年 備前市伊部に好本宗峯の三男として生まれる/2000年 東京造形大学美術学科美術専攻Ⅱ類(彫刻)卒業/2004年 父・宗峯に師事し作陶を始める、主に細工物を手がける/2006年 下津井 木里神社に宮獅子一対を納める/2009年 南青山にて親子作陶展

藤森信太郎(ふじもり・しんたろう) /副会長
[ひとことPR]土の表情を生かした作品づくりを心がけています。
[手に持った作品]粗めの山土を使って、刳り貫いて作った花器です。
[経歴]1976年 父・陶志の長男として生まれる/2000年 国士舘大学政経学部卒業/2001年 備前焼作家の父・藤森陶志に師事し陶芸の道に入る/2002年 備前陶芸センター修了/2003年 備前陶芸センター二年目研修生、父・陶志のもと蕃山窯の陶工として作陶/2011年 岡山県美術展入選/2013年 客窯de備前プロジェクトとしてフランスで客窯を築窯、パリ・ギャラリーハヤサキにてグループ展

安藤騎虎(あんどう・きこ)
[ひとことPR]自分の名前と窯名「鳴瀧窯-narutaki-」のダブルネーム展開をしています。narutakiでは「用とデザイン」をテーマに現代の日常使いに適う器を提案し、備前焼ユーザーの若返りと拡大を目指しています。個人名ではデザインと備前焼の有機的な性質の接点を探っています。
[手に持った作品]備前焼の本質の一つには「無作為の作為」があると思っています。何気なく形作られたように見えて、形姿や焼き色をある程度コントロールした作を目指しています。
[経歴]1977年 神奈川県横浜市生まれ/2003年 備前陶芸センター修了、(有)橋本画廊に入社、橋本和哉師に師事/2007年 田部美術館「茶の湯の造形展」入選/2008年 田部美術館「茶の湯の造形展」入選、独立/2010年 初窯出し/2012年 岡山県美術展覧会入選、廣田尚子氏とのコラボレート作品「入れ子碗」「竹把手急須」IFFT出展/2013年 スワミヤ氏とのコラボレート作品「備煎 すらら」IFFT出展/2014年 プロジェクト展開として「鳴瀧窯-narutaki-」を立ち上げる、個展「備前 日々の器」展 ガレリーア・レティーロ・デ・オーロ(有馬)、グループ展「備 煎-BISEN-」 阪急うめだ本店 (大阪)、岡山県美術展覧会入選/2015年 岡山県美寿展覧会入選/2016年 LEXUS NEW TAKUMI PROJECT 2016年度「匠」に公募枠にて選出 1人用珈琲ドリッパー「nagom」制作/2017年 岡山県美寿展覧会入選、1人用珈琲ドリッパー「nagom」全国伝統的工芸品公募展「若手奨励賞」受賞

小橋俊允(こばし・としみつ)
[ひとことPR]作り手の思いと現代的な感覚を大切に制作にあたっています。今後は伝統美の中にも現代美を漂わせ、土の表情や独創性を感じさせる作品を目指します。
[手に持った作品]近年取り組んでいる「青練込」。備前らしくなく、モダンに感じる作品です。
[経歴]1977年 備前市伊部生まれ/1999年 大阪芸術大学付属美術専門学校卒業/2000年 備前陶芸センター修了/2001年 夢幻庵備前焼工房にて活動を始める/2005年 完全地下式の穴窯を作る/2012年 黒備前を手がける/2015年 岡山県美術展覧会入選

藤田 祥(ふじた・しょう)
[ひとことPR]土にこだわりを持ち「土感」を大切にしつつ、現代の生活習慣に合う備前焼を作成しています。
[手に持った作品]古備前などに見られる古典的なヒダスキの色や質感を目指しつつ、現代的な形で表現しました。
[経歴]1978年 和歌山市に生まれる/1987年 洋画家・小野教治教室で4年間美術全般を学ぶ/1993年 洋画家・山内久光教室で3年間デッサンとデザインを学ぶ/1997年 和歌山市の陶芸家・川崎泰明、中村実の指導を受けて陶芸の基本を学ぶ/1999年 備前陶芸センター卒業、(有)橋本画廊に入社、備前焼作家・橋本和哉師に5年間師事する/2003年 岡山県美術展入選/2004年 独立・初窯を出す、倉敷・陶慶堂本店にて個展(以降毎年開催) /2006年 日本伝統工芸中国支部展入選、田部美術館「茶の湯の造形展」入選/2009年 田部美術館「茶の湯の造形展」入選/2014年 倉敷天満屋にて個展、2ヶ月間アメリカを横断 各地の陶芸家と交流を深めアイオワ州にて登り窯と穴窯を焼成、The Ceramics Center(アイオワ)にて「Bizen in Iowa」展、Sara Japanese Pottery(ニューヨーク)にてグループ展、裏千家ニューヨーク出張所にてグループ展、Ippondo Gallery(ニューヨーク)にて「茶盌」展/2017年 Maison Wa(パリ)にてESPACE DENSANへ出品・単独講演会 以降常設展示/2018年 倉敷天満屋にて個展

柴岡宏和(しばおか・ひろかず)
[ひとことPR]轆轤作成を中心にしていますが、一手間かける面取り作品、石目作品を作ることが多いです。
[手に持った作品]父が磨き技法の青備前をライフワークとして作陶していたため、私も青備前を勉強しています。
[経歴]1978年 柴岡秀泉の長男に生まれる/2001年 九州東海大学卒業/2002年 備前陶芸センター卒業、父・秀泉のもと作陶を始める/2005年 岡山県美術展入選/2006年 岡山県美術展入選、一水会陶芸展入選/2009年 一水会陶芸展入選/2010年 第25回国民文化祭・岡山陶芸美術展入選/2011年 岡山県美術展入選、第54回日本伝統工芸中国支部展入選

原田圭二(はらだ・けいじ)
[ひとことPR]田土や山土など作品によって土の種類を使い分けるなどし、登り窯で薪を焚き、無釉焼締のみで作品づくりをしています。
[手に持った作品]登り窯で焼成した、赤の抜けがある灰被り窯変です。
[経歴]1978年 8月生まれ/1997年 祖父・故 原田陶月、父・二代目 原田陶月につき陶芸の道に入る

堀江政臣(ほりえ・まさおみ)
[ひとことPR]何もないところに置いた時、空間がどう変化するかに思いを馳せ、造形、焼成をしています。
[手に持った作品]茶道に用いる水指です。焼成の色や土味が備前特有の強みだと思っています。
[経歴]1978年 備前市伊部生まれ/2004年 金重有邦師に師事/2007年 堀江祥山のもと作陶を始める/2011年 神戸きくえいアート(神戸市)にて初個展/2013年 岡山県美術展入選/2014年 田部美術館「茶の湯の造形」展入選/2015年 岡山県美術展入選/2017年 倉敷天満屋にて個展

細川敬弘(ほそかわ・たかひろ)
[ひとことPR]古備前に触れ、先達に学び、四季を通して変化する自然の造形美を感じながら作陶しています。
[手に持った作品]足下に置いてススキのような背の高い花を、野にあるように生けるために作りました。
[経歴]1979年 岡山県生まれ/1999年 備前陶芸センター卒業、祖父・竹村永楽のもと学ぶ/2000年 作陶活動を始める/2008年 東京 やきもの長縄にて個展(以降2010年より毎年開催) /2011年 第28回田部美術館「茶の湯の造形展」奨励賞受賞/2012年 岡山 明日香画廊にて個展/2014年 岡山 倉敷天満屋にて個展/2015年 東京アメリカンクラブ フレデリック・ハリス・ギャラリーにて個展/2016年 北京 鈴木商店にて個展/2017年 第59回大阪工芸展入選、第68回岡山県美術展覧会入選、熊本 陶季にて個展、北京 鈴木商店にて個展/2018年 第60回大阪工芸展入選、大阪 茶道具 花田商店にて個展、第69回岡山県美術展覧会入選

藤原 章(ふじわら・あきら)
[ひとことPR]窯近くで採れる土、水、割り木を遣うことにこだわり、作るという気持ちより、生み出すという気持ちで、自分だけが作れるものを目指して作陶に励んでいきたく思います。
[手に持った作品]1200℃の熱から引き出し、急冷することで黒い発色を出した作品です。
[経歴]1981年 奈良県生まれ/2001年 京都伝統工芸専門学校卒業、信楽の窯元に入社/2003年 備前焼作家・藤見俊一師に弟子入り/2008年 独立/2010年 初窯を出す/2011年 伝統工芸中国支部展入選、美術展国民文化祭奨励賞受賞

真砂皓志(まなご・こうじ)
[ひとことPR]青備前という青く発色する窯変を得意とし活動しています。一般的な備前焼とはまた雰囲気の違う備前の魅力を知っていただければ嬉しいです。京都で勉強した繊細な造りと備前の土の魅力を掛け合わせ、現代の食卓・住環境に合う器造りを心がけて作陶しています。
[手に持った作品]シンプルでシャープなラインを意識し、花入れの下部には石目模様を和施しアクセントとしています。青備前の青色と草花の緑・赤色などと相性が良く、白壁の中においていただくと花入れの形もより綺麗に楽しめます。
]1982年 生まれる/2007年 京都伝統工芸専門学校卒業/2007年 備前焼・西倉坊窯・猪俣政昭に師事/2012年 独立(一紅窯)

馬場隆志(ばば・たかし)
[ひとことPR]彫刻的なフォルムをした新しい備前焼を感じてほしいです。
[手に持った作品]「Torso」は彫刻と工芸の間の存在。花を生けることで花が顔となり、作品が完成します。
[経歴]1983年 備前焼作家・馬場祥輔の⻑男に生まれる/2006年 東京芸術大学彫刻科卒業、/2007年 京都市産業技術研究所工業技術センターで1年間学ぶ、朝日現代クラフト展入選 /2008年 岡山県展入選(以降3回)/2012年 備前陶心会展岡山県知事賞受賞、米子天満屋にて個展(以降2回)JR備前片上駅前のモニュメントを制作/2013年倉敷天満屋にて個展(以降2回)/2014年 岡山天満屋にて個展 備前陶心会展備前市⻑賞受賞(以降1回) /2015年 日本伝統工芸中国支部展入選(以降1回)イギリス「The Power of Bizen」に参加/2016年 新宿伊勢丹にて個展、田部美術館「茶の湯の造形展」入選、備前陶心会展岡山教育委員会教育会⻑賞受賞、備前焼ミュージアム前のモニュメント制作に参加/2017年 阪急うめだ本店にて個展、宮崎山形屋にて個展、鹿児島山形画廊にて個展、備前陶心会展岡山県知事賞受賞、岡山美術展覧会岡山市⻑賞受賞 中国北京「匠心傳承」に招待出展と講演会を行う。/2018年 ベトナムホイアンに国際交流事業の一環で派遣、中国北京「土火」に招待出展と講演会、京都高島屋にて個展

藤田昌宏(ふじた・まさひろ)
[ひとことPR]現在は主に「磨きもの」という、滑らかな土を使って作品を作っています。
[手に持った作品]磨きの作品です。滑らかさや手ざわりを確かめていただきたいです。
[経歴]1983年 備前市伊部に三代・藤田龍峰の長男として生まれる/2010年 金沢美術工芸大学美術工芸学部美術家彫刻専攻卒業/2011年 独立、岡山kamonRにて個展(以降2012、2013、2014,2015開催)/2012年 京都市産業技術研究所陶磁器コース終了/2014年 東京 食事会「備前焼とイタリア料理」/2015年 The Power of Bizen(London)、備前焼ワークショップ(Devon)、京都 「備前 藤田昌宏 陶展」/2016年 岡山天満屋5階美術ギャラリーにて「The Power of Bizen 英国に渡った新世代六人展」、備前焼ミュージアムモニュメント「窯柱」共同制作/2017年 ギャラリーさとうにて「藤田昌宏 陶展」〜備前 磨きもの 也〜

乗松美歩(のりまつ・みほ)
[ひとことPR]女流作家ですが、男性に負けない作品づくりをモットーにしています。これからもいろいろなことにチャレンジしていきたいです。
[手に持った作品]初心忘れるべからずです。
[経歴]1987年 祖父・乗松俊行、父・乗松建行のもとに生まれる/2009年 岡山商科大学卒業/2010年 備前陶芸センター修了/2013年 初窯を出す/2014年 倉敷陶慶堂本店にて初個展/2014年 倉敷陶慶堂本店にて個展/2016年 日本伝統工芸中国支部展入選(以降2回)