庭師

 どんな仕事?

自然素材を活用して、自然風景を人工的に写しだす

石、木・草、水などの自然素材を使って、庭の設計から管理まで携わる職人です。庭師の仕事は、美しい庭を完成させたら終わりだと思いがちですが、特に日本庭園の場合、造園後の手入れも大切。樹木・苔といった植物の生長を管理して、定期的に剪定するなど、日本庭園をずっと見守っています。そのため、樹木といった自然素材についての知識のほか、病害虫や農薬、地形などの総合的な知識も不可欠。この知識と職人の技を融合させて、人々の暮らしに癒しや安らぎをもたらす庭をつくっているのです。

 こんな人に目指してほしい

植物や人に対する思いやりが、庭の姿に

自然素材を使用して造園するので、植物や生き物が好きな人、造形物をつくりたい人に適しているといえます。他人に寛ぎの時間を届ける庭師は、人の心を理解する必要があり、お客さんの要望を聞き出すことや簡単なお手入れのアドバイスなど、コミュニケーション能力も大切。また、歴史、宗教、文化と、時代によって影響を受けてきた日本庭園は、造園後の管理を必要とし、根気強さが試されます。また、重い石を運搬したり、高い木に登るなど、それなりの体力も必要です。

 庭師への道

全国に広がる造園・土木系の
学校で基礎をしっかりと

北海道から沖縄県まで、造園系・土木系の学校で、造園の基本的な技術や知識を学べます。実際は、庭師になってから経験を積むため、造園会社への就職や庭師への弟子入りが必要。その後、技を磨き、造園技能士や造園施工管理技士の資格に挑戦しましょう。一人前になるのに10年以上といわれるので、こつこつと努力を重ねる粘り強さが大切です。

この職人がつくるモノ・コト 日本庭園
このワザに関わる資格 造園技能士、造園施工管理技士
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