弓師

 どんな仕事?

竹弓を製作、カスタマイズ、修理。全工程が手作業

弓道などで使われる和弓(わきゅう)の製作にくわえて、使い手の要望にあわせた弓のカスタマイズ、さらには修理まで行うのが弓師の仕事です。現在では、大量生産が可能なカーボンやグラスファイバーでつくられた弓も多いのですが、宮崎県の都城では昔ながらの竹、そして手作りで弓を作り続けており、その全国シェアが90%にも上っています。竹弓は、自然に自生した竹を材料としており、均一なものではないため、その製作は、一筋縄ではいきません。たとえば、力加減はもちろん、その日の湿度や気温によっては、簡単に割れてしまいます。そのため、竹のコンディションを考慮する必要があります。まさに自然との対話という言葉が相応しい仕事といえます。

 こんな人に目指してほしい

射手の心を読む力。弓道経験者に挑戦して欲しい仕事

弓は、良い弓ほど弦音(つるおと/矢を放った際、弓の弦が鳴る音)が良いとされています。オーダーメイドの場合、射手(いて/弓を射る人)の個性を活かした弦音が出るよう心掛けて弓をつくらなければいけません。ですので、射手の心を読む力、そして個性を引き出す力も求められます。また、材料となる竹の性質にくわえて、加工法など、学ぶことは多々ありますが、頭ではなかなか覚えられるものではありません。経験を通して学ぶことが得意な方は、弓師に向いているといえます。部活などで弓道に触れた、という人にも挑戦して欲しい仕事です。

 弓師への道

まずは、竹弓の一大産地の
宮崎県での工房見学がおすすめ

特別な資格は必要ありません。まずは、竹弓の一大生産地である宮崎県の都城大弓をつくる工房に足を運び、職人さんの仕事ぶりを見学することをおすすめします。きっと、本やインターネットでは感じられないモノやコトを感じられることでしょう。世襲が一般的ですが、弓師になるには弟子入りという道もあります。一人前の弓師になるには、弟子入り後、10年以上の年月が掛かるといわれています。それは、200もの工程をほぼ手作業で行うためであり、竹の性質・加工法を熟知するには長年の経験に基づく、勘と技術が求められるからです。「二千もの弓をつくれば一人前」ともいわれています。

この職人がつくるモノ・コト 弓道具
このワザに関わる資格 特にありません
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