養蚕農家

 どんな仕事?

蚕がつくる繭から生糸を採取し、販売

蛾(ガ)の幼虫である蚕(カイコ)を卵から飼育。その蚕に繭を作らせ、繭から生糸を採取し販売するのが「養蚕農家」の仕事です。また、蚕のエサとして古来より用いられてきた果樹「桑」の栽培も大切な仕事。養蚕農家の中には、稲作や畑作と兼務されている方も多数おられるそうです。蚕は非常にデリケートで、飼育環境に問題があると、すぐさま糸を吐くのを止めてしまします。そのため、ほかの品種が混じったり、病気に感染したりしないよう飼育環境の徹底した管理が欠かせません。たいへん手間は掛かりますが、艶やかな光沢をした生糸を見れば喜びもひとしおです。年々、養蚕農家は減少しているものの最近では絹の主成分である「フィブロイン」には、UV効果や保湿効果があることから化粧品の原料としても注目されています。

 こんな人に目指してほしい

「絹が大好き」という気持ち。蚕の体調を見極める観察力

「絹特有のなめらかな肌触りが好き」という方から、「絹織物づくりを原料となる蚕の飼育からはじめてみたい」という方まで、絹が大好きという思いを持つ方に挑戦して欲しい仕事です。養蚕農家に求められるのは、蚕の餌の食べ具合や体調の微妙な変化を見極めるには、小さな変化にも気づくことのできる観察力。その一方で蚕のエサとなる果樹「桑」の手入れ、蚕へのエサやり、蚕の寝床の温度管理など、養蚕農家の一日は忙しいため体力も不可欠といえます。

 養蚕農家への道

養蚕体験施設で仕事に触れ
知識を身につける

養蚕農家になるための資格は特になく、養蚕農家の子どもが継ぐのが一般的です。それ以外で養蚕農家を目指すのであれば専門知識が必要となりますので、養蚕が盛んな群馬県にある生涯学習センターや養蚕体験施設などで実際にその仕事に触れ、養蚕に関する知識を身につけることをおすすめします。また、近年、養蚕農家は年々減少傾向にあることから、全国農業共同組合連合会では養蚕対策室を設置して“後継者育成”に力を注いでいます。養蚕農家を目指す方は、問い合わせてみると良いでしょう。

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