囃子方

 どんな仕事?

楽器の音色や掛け声で、曲の情景を表現

能、狂言が上演される際、能舞台後方で楽器を演奏するのが「囃子方」の主な仕事。楽器の音色をはじめとし、「ヤ」「ハ」「ヨーイ」「イヤー」などの掛け声で曲の雰囲気や情景を表現します。舞台上の出演者全員で一つの舞台を作り上げていくといった、一体感にやりがいを感じている方も多いようです。ちなみに、「囃子方」というのは能での呼び方であり、歌舞伎では「鳴物師(なりものし)」とも呼ばれています。囃子方は笛、小鼓、大鼓、太鼓の4種類の中から一つの楽器のみを担当するのに対して、鳴物師は約30種類の和楽器を巧みに使い分けるのが異なる点です。

 こんな人に目指してほしい

仲間への思いやりが鍵となる団体競技が得意な方に

能や狂言の世界では基本的には「申し合わせ」という一度だけのリハーサルがあるだけです。そのため、その一度で相手方がどう演じたいのかを瞬時に判断する力、さらには判断したことを実現する技能が求められます。ただ、こうした能力は、すぐに習得できるものではありませんので、いつも努力を惜しまず、生涯を掛けて勉強する気持ちを忘れないことが何より大切となります。また、他の演者と息を合わせ、舞台を作り上げていくのが「囃子方」のため、仲間への思いやりが鍵となる団体競技が得意な方にチャレンジして欲しい仕事でもあります。

 囃子方への道

現役で活躍する「囃子方」が開く
お稽古教室に入門する方法も

世襲が一般的な世界ではありますが、たとえ経験や知識がなくても尊敬できる師匠のもとに弟子入りし、技能を磨き、師匠に認められれば舞台に立つことはできます。また、囃子方に必要な技能を学べる、研修制度を利用する方法もあります。ただし、研修が終わったからといって一人前と認められるわけではなく、その後も勉強はずっと続きます。現役で活躍する「囃子方」の中には、初心者向けのお稽古教室を開いている方もいますので、気軽に入門してみるのも良いでしょう。

この職人がつくるモノ・コト 狂言 能
このワザに関わる資格 特にありません
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