陶芸家

 どんな仕事?

人類の歴史と一緒に歩んできた。多種多様な技法

粘土で形をつくり(成形)、絵を付け、窯に入れて高温で焼くことによって陶磁器を製作します。源流にあたる縄文式土器に代表されるように、一万年以上前から人々の暮らしを支えてきました。長い長い時を経て、進化した手法は、日本各地へと伝わり、地域に合わせてさらに発展。今では、東北の大堀相馬焼から沖縄県の壺屋焼まで、あらゆる地方に陶磁器の技法が存在します。そのため、粘土成分の違いはもちろん、ろくろ成形や石膏型に流し込む鋳込み成形、手ひねり成形など、成形の方法が異なります。さらには、伝統技法を重んじる人、新しい表現法に挑戦する人など多彩。多くの陶芸家は、自分の窯を持ち、独創的な陶磁器を生みだしています。自分の作品を知ってもらうために、個展や展示会に出品して社会的評価を得るなど、生涯を陶芸家として過ごします。

 こんな人に目指してほしい

一からつくる楽しさ。土のやわらかさ。深い歴史を継ぐ

土に触れた時のやさしい感覚が好きな人、自分の工房を持つなどの独立性を望む人、創作意欲に富む人などにぴったり。陶芸家は「土練り3年、ろくろ8年」といわれるように、根気強さが必要です。しかし、土もみ→成形→絵付け→焼成と、原料から製品になるまでのすべての過程に携われる楽しさがあります。また、独創性あふれる作品を生み出せば、陶磁器の歴史に名を残す可能性も秘めています。陶磁器の技法は、各地・職人によって異なるので、どんな製品をつくるかは自分次第。全国をまわって、比較するのも面白いかもしれません。

 陶芸家への道

学ぶ場は全国に。
将来は自分の工房も

陶磁器は、深い歴史を持っているため、各地に学校や学び場が存在します。美術系大学や専門学校でも陶芸の基礎を勉強できます。その後、陶芸家に師事して技術を習得したり、陶磁器製作会社への就職で作品づくりがスタート。10年以上の修行が必要となる、大変長い道のりです。一人前と認められれば、自分の工房を持つことも可能。また、展覧会への出品や個展の開催などで、自分の作品が評価されれば活躍の場もさらに広がるでしょう。

この職人がつくるモノ・コト 食器、茶器、酒器、花器、置物、植木鉢、壷、かめ、庭園用品、装飾品、灰皿
このワザに関わる資格 陶磁器製造技能士
こんな職業も見てみよう ろくろ成型職人