和竿師

 どんな仕事?

継ぐ本数や、しなり具合を決め、漆で艶やかに彩る

竹を継ぎ合わせて一本の優美な和竿を生みだす「竿師」。「切り組み」という工程の中では、いくつの竹を継ぎ一本の竿にするのか、さらには釣り人の好みに合わせたしなり具合を決めます。職人として培ってきた経験に基づく勘が大きく影響する重要な工程です。もちろん、竹の性質を熟知していることが前提になります。また、腕の見せ所という点においては、銀箔や色粉などを用いる「彩色」や、「漆塗り」も見逃せません。この漆塗りは、見た目の艶やかさだけではなく、継ぐ部分を堅牢に保護する役割とあわせて、竹本来の弾性が雨や潮などによって弱まることを防止する機能も果たしています。

 こんな人に目指してほしい

釣り人の気持ちを知るには、釣り好きであることが大切

和竿師を目指すのであれば、釣り好きであることが何より大切です。事実、多数の職人さんが釣り大会に出場し、輝かしい成績をおさめています。それは、釣り人の要望にあわせ1からつくることも多いため、釣り人の心が理解できなければ、良い竿とは何であるかを知り得ないからということも関係しています。一方で、和竿は量産品とは異なり、すべて手作りでたいへん手間がかかるため、手先の器用さよりも、たとえ失敗しても諦めない粘り強い精神力が不可欠といえます。

 和竿師への道

和竿師に弟子入り。和竿づくり
教室に通ってみるのも一つの道

特別な資格は必要ありません。和竿師になるには、和竿師に弟子入りするというのが一般的です。しかし、最近では門戸も広がり、和竿師が開く「和竿づくり教室」などの体験教室もあるので、そうした機会を活かし、一度学んでみることをおすすめします。江戸和竿という名称から東京のみに工房があると思われ方も多いかと思いますが、実際には栃木県や埼玉県、千葉県、神奈川県にも工房があるので最寄りの工房を訪ねてみると良いでしょう。一人前になるには、早くとも五年はかかるため、着実に技術を習得していくことが求められます。

この職人がつくるモノ・コト 釣竿
このワザに関わる資格 特にありません
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