爪織つづれ職人

 どんな仕事?

自分の爪を道具に。数ヶ月かけて一品を織り上げる

爪織つづれとは、のこぎりの歯のようにギザギザにした指先の爪もしくは小さな櫛状の道具で、一本一本の糸を掻き寄せて織り上げる織物。非常に手間がかかるので、複雑な模様を織る場合、1日に数センチしか進まないこともよくあります。そのため生産数が少なく、昔は「一寸(約3センチ)一両」と言われるほどの高価な品でした。体の一部である爪がつくりだす織物は、優美で繊細。図柄通りに糸を掻き寄せる爪織つづれは、職人の卓越した技術力と感性によって支えられています。現在では、帯をはじめ、袈裟、袋物などが生産されています。

 こんな人に目指してほしい

長い期間、ひとつの仕事に取り組む集中力が重要

「高級な織物をつくりたい」「伝統の織物技法を受け継ぎたい」と考える人におすすめ。爪織つづれは、自分の体の一部である爪を使う楽しさもあります。その反面、織り上げる際に一本一本の糸を爪で掻き寄せるため、図柄によって数カ月、数年かかるものもあり、大変根気がいる作業です。長い時間を費やす爪織つづれは、高級品としての地位を確立。最近では、ヨーロッパでも美術品として高い評価を得ているので、世界に挑戦したい人にもぴったりな職人です。

 爪織つづれ職人への道

まずは京都などの生産地へ。
弟子入りや就職で第一歩を

特に、資格や免許は必要ありません。中学・高校を卒業後、爪織つづれ職人への弟子入りや製作会社への就職で道が開けます。爪織つづれ職人は、西陣織などの現場で活躍しています。まずは、そういった生産地を訪れて見学するのがおすすめです。高いワザを持つ職人になるには、長い期間がかかります。一歩一歩、毎日を大切にして一人前の爪織つづれ職人を目指しましょう。

この職人がつくるモノ・コト 帯、袈裟、袋物、壁掛けなど
このワザに関わる資格 染色技能士
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