どんな仕事?
漆器の滑らかさを生みだす。「塗り」を左右する研ぎ
木地、塗り、加飾の主に3つの工程でつくられる漆器。さらに塗りは下塗り、中塗り、上塗りに分けられます。それぞれの塗りの工程で、漆器を平滑にし、漆の密着を良くするのが研ぎ職人です。砥石(といし)、サンドペーパー、研炭(とぎすみ)などの研磨材を使い、水研ぎや空(から)研ぎ、炭研ぎといったワザを駆使して、漆器の凹凸をなくします。その結果、次の工程で作業する塗師が、漆を塗りやすくなるのです。漆器の優美な塗りの良し悪しは、塗師だけでなく、研ぎ職人のワザも左右しているといえます。
こんな人に目指してほしい
研ぐほどに美しくなるワザには、チームワークも重要
下塗りから上塗りの段階の中で、研ぐことによって、美しさが増す漆器。この繊細な美に魅力を感じる人におすすめです。また、「塗師が塗った漆器を研ぎ職人が研ぎ」を繰り返すため、チームワークも大切。塗師がどうしたら、塗りやすくなるかを考えながら研ぐ必要があります。さらに、漆器の研ぎ工程は、沖縄県の琉球漆器を始め、石川県の輪島塗、青森県の津軽塗まで、ほとんどの漆器づくりでかかせません。それぞれのワザの個性をよく知り、研いでいくことが大切です。
研ぎ職人への道
漆器製造会社へ就職や弟子入り。
学校、研修所でも学べる
芸術系の大学・専門学校、漆芸研修所などで、漆の基礎的な知識を学ぶことが可能です。また、研ぎ工程を分業している漆器製造会社への入社や、研ぎ職人への弟子入りで道が開けます。
この職人がつくるモノ・コト | 什器、装飾品、家具、椀、鉢、皿、盆、重箱、茶道具、花器 |
このワザに関わる資格 | 漆器製造技能士 |
こんな職業も見てみよう | 沈金師 蒔絵師 呂色(蝋色)師 ろくろ職人 地師(漆器) 塗師 |