どんな仕事?
語りの「太夫」と音の「三味線」が歌舞伎を盛り上げる
歌舞伎(かぶき)の「義太夫狂言(ぎだゆうきょうげん)」の中で、使用される音楽「義太夫節(ぶし)」を演奏する職人です。ストーリーを語る「太夫」と太棹(ふとざお)と呼ばれる三味線を弾く「三味線」がおり、歌舞伎の世界を盛り上げます。由来は、文楽(ぶんらく)の人形浄瑠璃(じょうるり)。代表的な演目に、歴史の教科書などで有名な源義経(みなもとよしつね)の「義経千本桜」、菅原道真(すがわらのみちざね)の「菅原伝授手習鑑(でんじゅてならいかがみ)」、忠臣蔵(ちゅうしんぐら)の「仮名手本(かなでほん)忠臣蔵」があります。江戸時代から現在まで、竹本は「義太夫狂言」を上演する上でなくてはならない存在です。
こんな人に目指してほしい
裏方として歌舞伎に携わる。音楽で観客を魅了
歌舞伎が好きな人はもちろん、三味線、語りを伝統的な舞台で表現したい人におすすめです。現在、歌舞伎で上演される演目で、「義太夫狂言」が約3割占めていると言われているので、活躍の場が多いのも特長。歌舞伎役者の動き、舞台の進行具合など、すべてを考えて演奏しなければなりません。歌(音楽)、舞(舞踊)、伎(演技)が融合することで、素晴らしい歌舞伎が誕生します。その中で竹本は、音楽の部分を担当するやりがいのある職業です。
竹本への道
弟子入りや養成機関の研修で
第一歩を踏み出す
特に資格や免許は必要ありません。竹本になるには、大きく二つの方法があります。ひとつは、竹本の師匠への弟子入り。もうひとつは、養成機関が行う養成事業で研修を受けること。竹本は、語り担当の「太夫」と「三味線」に分かれているので、自分が興味ある方を選びましょう。修行を重ねて芸名をもらえば、一人前として扱われます。
この職人がつくるモノ・コト | 歌舞伎 |
このワザに関わる資格 | 特にありません |
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