どんな仕事?
茶道の精神と高度な技巧で茶室を生みだす
主に茶室(数寄屋)をつくるのが、数寄屋大工です。茶道と一緒に発展した茶室は、柱に皮付きの丸太を使ったり、華美な装飾をしないなど、侘び寂び(わびさび)を感じさせる簡素な空間が特徴。そのため、数寄屋大工には、茶席や水屋(茶道具の棚と洗うための流し)の知識を含めて、茶の精神が必要となります。また、別棟の伝統的な茶室のほか、住宅・マンションの中に茶室を設ける家も増えており、現代建築に数寄屋造の味わいを取り入れることもあります。
こんな人に目指してほしい
おもてなしの心を持ち、寛ぎの空間を考える
茶道に興味を持っている人はもちろん、茶室という限られた空間で自分の技を試したいと思う人におすすめです。茶室は、亭主がお客を茶でもてなす場所。床の間の配置、素材感漂う柱、茶道具との融合、もてなす時間・雰囲気までも考慮し、最高に寛ぐ空間をつくらければなりません。加えて、亭主の思いを知るコミュニケーション能力も大切です。また、現在の数寄屋大工には、マンションから一戸建てまで、様々な住まいに数寄屋造を調和させる柔軟性も重要だといえます。
数寄屋大工への道
学校で基本知識を習得。
現場経験を積み、資格に挑戦
見習いになるのに、学歴や資格は特に要りません。大学や専門学校、職業訓練校で基本的な知識を身につけることができます。その後、数寄屋大工への弟子入りや、数寄屋造を行っている工務店・建築会社への就職で技を磨けます。そこで、実務経験を重ねることで、二級建築士といった資格を受験可能に。技の鍛錬と、資格の取得などで、数寄屋大工としてのキャリアを積みましょう。
この職人がつくるモノ・コト | 数寄屋造 |
このワザに関わる資格 | 建築大工技能士、一級・二級建築士、木造建築士 |
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