どんな仕事?
海水を濃縮し、釜で加熱。塩とにがりを分離させる
料理の味付けなどに重宝される塩をつくるのが、主な仕事。日本で作られる塩には、輸入した天日塩を海水に溶かし、イオン交換膜式(海水を電気分解して塩化ナトリウムだけを取り出す方法)で再結晶化させた精製塩(食卓塩)が多く流通していますが、太陽熱と風と火を使い日本の海水を結晶化させる職人の手作りによるものもあります。昔ながらの製塩方法である後者は、海水をろ過し、太陽熱や風で水分を蒸発させ、海水の塩分濃度を上げ、釜で加熱(一次焚き)します。つぎに、別の釜に移し替え、塩が結晶化するまで加熱(二次焚き)。塩の出来具合を判断し、ザルなどに移し、塩とにがりを分離させ完成となります。こうして手間ひまをかけた塩は、角のないまろやかな味わいが特徴のものが多いといわれています。
こんな人に目指してほしい
高温の中での作業にも耐えられる体力と根気
昔ながらの塩づくりを貫く塩職人の仕事は重労働であるとともに、煮詰める工程では高温の中で仕事をすることになるので、それ相応の体力と根気が必要。また、二次焚きの工程では、結晶化した塩が釜の下に沈んでいくため、ただ煮詰めるのではなく、焦げ付きを防ぎ、さらにはミネラル成分を均一にするため、昼夜丁寧にかき混ぜることがポイントになります。一方で、塩とにがりを分離させる工程において、にがりを飛ばしすぎてもおいしい塩にならないため、この工程は職人の腕の見せ所ともいえます。手作りの場合、品質を一定にすることが極めて難しいですが、それすら職人の個性や、手作りゆえの味わいにつなげる豊かな発想力も大切です。
塩職人への道
まずは、塩づくりに触れる。
塩職人への弟子入りが一般的
塩職人になるには、塩職人のもとに弟子入りするのが一般的です。まずは、各地の沿岸部などにある製塩所を回るなどして、塩作りを見学し、その仕事ぶりを見ることをおすすめします。地域の新しい産業としてサポートしているところもあるので、そうした所で学ぶのも良いでしょう。現役の塩職人として活躍している方の経歴はさまざまで、独学で職人になった方もいるそうです。また、独立して製塩所を建てる際、塩の原料となるキレイな海水が欠かせません。そのため、場所選びも大切となります。
この職人がつくるモノ・コト | 塩 |
このワザに関わる資格 | 特にありません |
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