どんな仕事?
多彩な技術を駆使し、扇子を彩るプロフェッショナル
手描き絵や木版画摺り(もくはんがずり)、シルクスクリーン刷りのほか、切型摺り込み(きりがたすりこみ)型を使用した手法などで、扇面を飾るのが扇面師の仕事です。扇子には、華麗な京友禅を基にした図柄がキラリと光る西の京扇子。そして、武家の裃の図柄を取り入れた、粋で潔い東の江戸扇子があります(ちなみに、名古屋も有名です)。また、図柄同様に扇子全体を製造する工程も異なり、細やかな分業で一つの作品を仕上げる京扇子に対して、江戸扇子は扇面師と、折り・中付けの仕立て師で仕上げます。江戸扇子における扇面師の役割は、絵付け図案・下絵・染付け・型彫り・上絵付け・箔押しなどです。
こんな人に目指してほしい
お客様の思い描く柄・絵を具現化する、たしかな絵心
手描きの絵で扇面を飾ることもあるので、やはり絵心のある方や学生時に日本画などを学んだ方に相応しい仕事といえます。また、型にはまった絵だけを描くのではなく、一点物のオーダーメイドを手がけることもこの仕事の醍醐味(だいごみ)。そのため、お客様のイメージを具現化する力も必要です。そして、お客様のイメージを一層理解し、仕上がりのイメージを少しでも上回るような能力も養わなければなりません。
扇面師への道
まずは、京都などで扇子の絵付け
体験をしてみよう
京都などには、扇子製造業者や工房があるので、そうした所に弟子入りするのが、扇面師になる唯一ともいえる方法です。また、京都などにある扇子の絵付け体験ができる施設・工房で、実際に絵付けを体験しながら、指導してくれる方に、どうしたら扇面師になれるのか相談するのも良いでしょう。無事に弟子入りが叶った際は、はじめの数年は、雑用をすることになるかもしれませんが、すべては扇面師につながる仕事です。ですので、まずは真摯な姿勢で仕事と向き合い、師匠の技を盗むことが大切です。
この職人がつくるモノ・コト | 人形用豆扇、式服扇、夏の扇、舞扇、茶席扇 |
このワザに関わる資格 | 特にありません |
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