どんな仕事?
建築物の美しさ、たくましさ、快適性を司る
コンクリートや漆喰、珪藻土などの素材をコテや刷毛(はけ)、ローラーを使い、建築物の内外を美しく塗装するのが「左官」。建物の耐久性や居住時の快適性を左右する大事な仕事でもあります。主な材料となる「土」は、産地によって性質・色など千差万別。そのため、それぞれの特長を十分に生かして適材適所に使い分ける知識も欠かせません。仕事の出来高に応じて、給与が決まる出来高払いも多い左官の世界。キャリアに関わらず、技能の高い人が高給となる「実力社会」ともいえます。近年では、吸・放湿性に優れており、カビの原因となる結露を防ぐ珪藻土など自然素材への注目度も高まり、左官工事の需要も高まりつつあります。
こんな人に目指してほしい
集中力と様々な仕上げパターンを表現するコテさばき
たとえば、珪藻土塗りの外装であれば、擬石調仕上げ、砂岸状仕上げ、木肌仕上げ。内装であれば、撫切り仕上げや漆喰調仕上げなどがあるのですが、左官作業ではこうした仕上げパターンを表現する卓越したコテさばきが求められます。また、一度始めたら躊躇することなく、乾いてしまう前に集中して一気にやることが大事なため、集中力も不可欠。時に脚立に乗りながら、内壁や外壁を塗装することもあるので、高所においても平常心で作業を続けられる精神力も必要といえます。
左官への道
親方に弟子入り、または左官店に就職
左官になるには、主に親方のもとに弟子入りし修行する道のほか、職業訓練校で学んでから左官店や工務店の左官部門に就職して現場で働き技術を学んでいく道があります。一人前になるには、早い場合でも約5年の歳月が必要と言われていますので、日々コツコツと技術を磨いていく忍耐力と持久力が不可欠です。左官になるには、特に必要な資格はありませんが、独立を目指すのであれば、実力の証、さらには信頼の証にもなる国家資格「左官技能士」を目指すと良いでしょう。
この職人がつくるモノ・コト | 内壁、外壁 |
このワザに関わる資格 | 左官技能士 |
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