どんな仕事?
話芸で観客を自分の世界に引き込み、楽しませる仕事
動物で笑うのは人間だけだとよくいわれます。笑いはいろいろ健康にいい、と研究している学者さんもいます。自分ひとりの話芸と、手拭いと扇子という最小限の小道具で、観客を笑いの世界に引き込む「落語家」という仕事は、とてもやりがいのある仕事といえるでしょう。基本的に落語は、登場人物の会話で物語が進んでいきます。同じ長屋に暮らす熊さん、八つぁんであったり、大家さんやおかみさんであったり。時にはお殿様や幽霊も登場します。それらを演じ分け、次へ次へと観客の興味をつないでいくのは、大変な技が必要です。しかし、確かな話芸を身につければ、テレビ番組への出演など活躍の場は大きく広がっていきます。
こんな人に目指してほしい
古いことから新しいことまで、何にでも興味を持てる人
まず何より、人々を楽しませたい、というサービス精神のある人、ユーモアのある人に向いているといえるでしょう。落語を演じる場所を高座と言いますが、この高座に上がれば頼れるのは自分ひとり。強い精神力も必要かもしれません。また、弟子入りから真打ちになるまでは、長い修行期間となり、その間は下積みの仕事も数多くしなければなりません。ですから忍耐強さや、いろいろな人への気配りも持ち合わせていたいものです。さらに落語は歌舞伎や講談など、他の伝統芸能とのつながりもありますから、日本の文化に興味があって、勉強しようという向上心も大切。現代の様々な人や事件に対し興味をもって観察することも、芸を磨く上には必要です。
落語家への道
まず師匠に弟子入り。二つ目、
真打ちとステップアップを目指す
落語家になるには、まず、師匠となる落語家に弟子として入門するしかありません。熱意を持って、入門したい師匠にアプローチすることから落語家への道は始まります。最近は大学のサークルである落語研究会(いわゆるオチ研)出身の落語家もいます。仲間と一緒に落語に触れる機会を増やすということでは勉強になるでしょう。しかしプロの落語家になるためには、プロに弟子入りするしかありません。弟子入りをしたら、まずは見習い、ということなります。師匠の家の家事手伝いなどをしながら、落語家としての心構えや基本を学んでいきます。見習いをしていく中で認められると「前座」となります。前座となったあとも師匠と多くの時間を過ごし、楽屋や舞台の雑用などもこなします。前座の次は「二ツ目」です。ここで一人前の落語家と認められたことになり、寄席に出番があったり、独自に様々な仕事をすることになります。自分の落語会を開いたり、(仕事をとってくれば)テレビやラジオに出演することもできます。二ツ目でまた長年修行をし、認められれば次は「真打ち」です。寄席で主任(とり)をつとめることができ、師匠と呼ばれ、弟子を取ることができます。
この職人がつくるモノ・コト | 落語 |
このワザに関わる資格 | 特にありません |
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