能楽師

 どんな仕事?

古典芸能「能楽」を、流派独自の芸風で演じる

日本を代表する古典芸能である「能楽」を、舞台上で演じるのが「能楽師(のうがくし)」。主人公を演じる「シテ方」、そのシテ方と共に欠かせない登場人物を演じる「ワキ方」、演目の物語にまつわる歴史を語る「狂言方」、「囃子方」(はやしかた/笛方・小鼓方・大鼓方・太鼓方)という4種類の役があるのですが、それぞれが専業で、他の役を兼務することは一切ありません。また、「シテ方」や「ワキ方」には、いくつかの流派が存在しており、独自の芸風で数ある演目を表現します。

 こんな人に目指してほしい

記憶力や、何事にも物怖じしない強い精神と集中力

「シテ方」「ワキ方」「狂言方」であれば多くのセリフを、「囃子方」であれば多くの楽曲を覚える必要があり、「能楽師」にとって記憶力は不可欠です。また、多くの観客の前で演じるため、緊張に耐えられる強い精神や集中力が求められます。そのゆえ、舞台上で演じることが好きな方や、祭りなどで演奏されるお囃子に興味のある方にお薦めの仕事といえます。一方、一人前になるまでには、演目のストーリーに観衆を引き込む高度な表現力も必要とされます。

 能楽師への道

能楽師になれる条件は、
中学卒業以上・25歳未満

「家元」と呼ばれる能楽師の家系の子孫が、能楽師になるのが一般的ですが、家元以外でも能楽師になれるチャンスはあります。三役(ワキ方・囃子方・狂言方)の技能を伝授する機関の研修生となって多くを学べば、ゆくゆくは舞台に立つことができるのです。ただし、研修生となるには、中学卒業以上・25歳未満といった条件がありますので、若い内に志すことをお薦めします。また、現役で活躍する能楽師が主催するお稽古教室などもありますので、趣味として気軽に始めて見るのも一つの方法といえます。

この職人がつくるモノ・コト
このワザに関わる資格 特にありません
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