町家大工

 どんな仕事?

採光と通風を考えて、都市生活でも心地よい家を築く

かつて、職住一体型の住まいとして活用された町家を建てる職人です。人々で賑わう都市に築かれたという歴史を持ち、間口(まぐち/建物の正面の幅)が狭く、奥行きが長い効率的な間取りが特徴。玄関を入ると、細長い土間が一番奥の裏庭まで続き、庭から光と風が入るように工夫されています。現在は、石を据えて柱を置くなどの伝統工法と、在来工法(一般的な木造住宅)といった近代的な技術を融合させた町家を手掛けています。伝統工法は、特に京町家が有名ですが、建築基準法では既存不適格建築物(建築当時は法律に適合していたが、その後の法改正により不適合になった建物)なので、主に古くから残る町家を改修。町家の保存に街全体で取り組む地域もあり、200年以上守られた町家も存在します。

 こんな人に目指してほしい

平安時代から続く伝統を学び、自分のアイデアを融合

数百年以上の歴史を受け継ぐ日本の伝統工法の建築に触れたい人、都市という限られた土地に新たな建築の可能性を古来の日本人の知恵に見出したい人におすすめ。町家の改修および建築には、伝統工法を学ばなければなりません。また、狭い土地でも、採光・通風を考え、都市生活を潤すような空間設計が重要です。そのために、過去に築いた先人の知恵と工夫に、自分のアイデアをプラス。柔軟な発想や、前向きな心構えで取り組みましょう。一人前の町家大工として認められるのに、20年以上かかるといわれています。根気強い精神力も必要です。

 町家大工への道

現場で経験を積みワザを磨く。
改修・建築も技術を見て盗む

中学・高校を卒業後、大学や専門学校、職業訓練校で基本的な知識を身につけることが可能です。また、町家大工への弟子入りや、町家造を行っている工務店・建築会社への就職で見習いとしての道が開けます。そこで、伝統工法や現代建築を学び、実務経験を重ねましょう。その後、二級建築士などの資格の取得で、技が磨けます。

この職人がつくるモノ・コト 町家造
このワザに関わる資格 建築大工技能士、一級・二級建築士、木造建築士
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