どんな仕事?
金の輝きと伝統技法で、荘厳な僧の衣服をつくる
金襴(金糸で模様をあらわすこと)を施した法衣(僧尼が着る衣服)を織り上げる職人です。ひとつの織物に、数十以上の色や絵画調のものを施し、華美な法衣を創出。そこに金の輝きが息づき、荘厳な雰囲気が醸し出されるのです。法衣の色は、仏教の宗教・宗派、僧階(そうかい/僧侶の階級)によってが異なり、例えば紫は高位の僧が身につけます。そのため法衣金襴織物師は、仏教の深い歴史や様式を熟知する必要があります。伝統工芸品としての金襴の技術は、寺院が多く残る京都府の西陣織が有名。伝統のワザと深い知識が、法衣金襴を生みだしているのです。
こんな人に目指してほしい
100以上の宗派で異なる模様。仏教・織物を深く知る
「仏教文化に興味がある」「華美な織物に挑戦したい」「伝統技術を習得したい」。法衣金襴織物師は、これらの条件に当てはまる人に向いているといえます。日本の仏教には100以上の宗派があるといわれ、宗派や階級によって色づかいや模様が違うため、仏教の知識は必須。そこに、伝統的なワザを融合させ、法衣として厳粛な風格をつくりだすのです。また、金糸を使用する金襴のワザも、素朴なデザインから豪華絢爛な織物まで多彩。厳粛かつ荘厳な場の大切な要素となる技術です。
法衣金襴織物師への道
生産量が多い京都府。
現場で経験を積み一人前に
学歴や資格は、特に必要ありません。法衣金襴を製織する織物製作会社への就職、法衣金襴織物師への弟子入りで道が開けます。法衣金襴の生産量は、寺院が多い京都府が多いので、現地へ赴いて仕事を見学するのも手です。織物技法のほか、仏教の知識も必要なため、今の内に本やインターネットを活用して基本的な知識を勉強しましょう。
この職人がつくるモノ・コト | 法衣 |
このワザに関わる資格 | 染色技能士 |
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