どんな仕事?
大豆を砕き、搾った豆乳を「にがり」で固める
「畑の肉」と呼ばれるほど、豊富なたんぱく質を含む大豆が主原料の、生鮮加工食品「豆腐」。スーパーなどでよく見かける豆腐には、キメの粗い「もめん豆腐」とキメの細かい「絹ごし豆腐」がありますが、その違いは作り方によって生まれます。もめん豆腐は、一度豆乳を凝固させたうえで凝固物を若干崩し、布を敷いた型箱に移し、重しをかけ脱水。これに対して、絹ごし豆腐は、豆乳全体を固めます。また、豆腐店の職人は、豆腐のみではなく、油揚げ、生揚げ(厚揚げ)なども作ります。そして、できあがった豆腐や油揚げ、生揚げなどは包装するなどして店頭で売るほか、お得意さんに配達します。
こんな人に目指してほしい
おいしい豆腐を作るには、水や大豆の知識が必要
豆腐の約80パーセントは水のため、豆腐づくりは水が命。そのため、おいしい水の知識が豊富であれば、仕事にも活かせるはずです。また、原料である大豆の善し悪しの判別方法や豆腐への適合性などの知識もあるとなお良いでしょう。豆腐づくりでは、豆乳の濃度と温度で凝固剤である「にがり」の量を判断して加えるため、経験による勘が必要となります。この工程は、すべての工程の中で、一番豆腐の出来栄えを左右します。機械に頼ることなく、昔ながらの豆腐づくりを行う豆腐店においては、早朝の作業が中心となりますので、早起きに抵抗の無い方が相応しいといえます。
豆腐職人への道
豆腐店などに弟子入り。
豆腐づくりを体得するまで約5年
豆腐職人になるには、特に資格や学歴などは必要ありません。こうした意味では、豆腐職人への道は広く開かれているといえます。親の店を継ぐ場合も少なくありませんが、まったくの未経験から、手作りで素材と向き合いながら仕事をする町の豆腐店に見習いとして弟子入りする方法もあります。近くに、豆腐店がある場合は事前に、豆腐づくりの工程などを見学させてもらうのも良いでしょう。見習いからはじめ、一通りの作業ができるまで、およそ2年。季節による気温・水温の差に合わせた豆腐づくりを体得し、さらには弟子入りした豆腐店独自の「味」を再現・維持するためのコツやカンを得るには、約5年の月日がかかるともいわれています。
この職人がつくるモノ・コト | もめん豆腐 絹ごし豆腐 |
このワザに関わる資格 | 食品衛生責任者(※独立した場合) |
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