どんな仕事?
麹、諸味をつくる。発酵、熟成後、火入れし完成
日本の食卓に必ずある調味料といえば「醤油」。大豆・小麦・食塩を原料とした液体発酵調味料です。醤油づくりは、こいくち、うすくち共に、様々な製造方式がありますが、ここでは伝統的な本醸造方式を紹介します。まずは、蒸した大豆と炒った小麦をほぼ同量混ぜ、種麹(たねこうじ)を加えて「麹」を製造。これを食塩水と一緒に木桶などに仕込み、「諸味(もろみ)」をつくり、かき混ぜながら半年以上ねかせ、発酵、熟成。その後、火入れなどを行い、完成です。こうした工程の中でも、しょうゆの味・香り・色を決定づける仕込みの工程は、発酵や熟成を促進させる麹菌などの微生物を相手にするため、デリケート。半年以上にわたって、発酵・熟成が進む諸味の状態を確認しながら、温度・湿度の調整や混ぜるタイミングなどを正確に判断します。
こんな人に目指してほしい
目や耳、鼻など、五感を研ぎ澄まし、醤油を生む
機械化が進む工場・蔵元も多いですが、昔ながらのほぼ手作りで醤油づくりに励んでいる所もあります。そこでは、半年以上にわたって、発酵・熟成が進む諸味の状態を、目や耳、鼻といった五感を使って確認します。現在、醤油は世界各国にあります。独自性や地域性が際立った魅力ある醤油をつくり出す開発・企画力もこれからは必要。そのため、しょうゆづくりに携わる人は、味に対する感覚を研ぎ澄まさなければなりません。日本の伝統的な調味料である醤油は、多くのメーカーや職人がこだわりを持ってつくっています。醤油職人には、豊かな感性と強い信念が必要といえるでしょう。
醤油職人への道
醤油メーカーや蔵元に就職
発酵についての知識も必要
醤油職人になるには、特に資格は必要ありません。ただ、農芸や発酵についての知識があるとスムーズに現場で活躍できるでしょう。就職先としては、大手醤油メーカーや醤油の蔵元があります。どちらも多かれ少なかれ機械化が進んでいますが、蔵元の方では昔ながらのつくりかたを受け継ぎ、守っている場合が多いです。また、作業工程によって男女を分けることも多く、体力を必要とする原料処理や仕込み工程には男性、充てん工程などは女性に分担することもあります。
この職人がつくるモノ・コト | しょうゆ |
このワザに関わる資格 | 衛生管理者 危険物取扱者 公害防止管理者 |
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