どんな仕事?
鏡のような艶を生みだし、見る者を惹きつける
木地、塗り、加飾の三段階を経て完成する漆器の中、最終段階の加飾で漆器に艶を出すのが呂色師です。上塗り後、「漆器の表面を炭で平滑に研ぐ、漆をすり込みながら磨く」を繰り返すことで、鏡のような光沢を創出。堅くて力強い印象を生みだします。呂色は、毛筋のキズを残してはいけないほど繊細な作業のため、職人の指で丹念に行われます。呂色の後、漆で文様を描く蒔絵や金粉・金箔をはめ込む沈金などの加飾をすることもあり、漆器にはかかせない技法です。
こんな人に目指してほしい
指を使って仕上げる。わずかなキズも残さない繊細さ
漆器の仕上がりを左右する呂色師は、自身の手を使用して作業します。そのため、漆器が好きであることはもちろん、感覚の鋭敏な人に向いているといえます。わずかな埃や毛筋のキズすら許されない呂色は、繊細なワザが要求されるので、根気強さが必要です。漆器を丁寧に磨くことで、深い美しさを生み、黒の場合は思わず吸い込まれるような黒漆の艶をつくり出すことができるのです。そこには、人を惹きつける幽玄なものづくりの妙味があります。
呂色(蝋色)師への道
根気強く、丁寧に。
漆器の生産地で学ぶ
輪島塗で知られる石川県の研修所で基本的な知識を習得することができます。その他、京都府や青森県など、漆器の有名な生産地で、弟子入りや就職で見習として経験を積みましょう。
この職人がつくるモノ・コト | 茶道具、食器、家具、什器、装飾品、座卓、硯箱、箸、花器 |
このワザに関わる資格 | 漆器製造技能士 |
こんな職業も見てみよう | 研ぎ職人 沈金師 蒔絵師 ろくろ職人 木地師(漆器) 塗師 |