ろくろ職人

 どんな仕事?

機械ではつくれない木の温もりを、手作りの道具で生む

ろくろ機に板を取りつけて、回転させながら鉋(カンナ)といった刃物で木地(漆を塗る前の器物)を削る職人。丸物と呼ばれる椀や皿などが主な製品です。木の性質・木目を見極めて、機械加工では表現できない木の温もりや丸みを生みだします。使用する道具にもこだわりを持ち、新しい形の木地を挽くときには、自身で鉋をつくることも。数百本といわれる鉋を自在に使いこなし、どんな形の木地にも対応します。漆器の場合、製造工程の初期段階を担うため、製品の完成を左右するとても大事な職業です。

 こんな人に目指してほしい

自分で工夫し磨く。木と道具にずっと向き合う

ろくろ職人の面白さは、木地を挽くほか、道具づくりにも携われる点です。だから、自分が使う道具をつくることから、何でもやりたいという人にぴったり。まさにゼロからのスタートです。また、ろくろ職人が木地挽きした器物は、塗師などに引き継がれて優雅な絵がつけられます。ひとりで黙々と作業するというよりは、お互いが刺激しあいながら、ワザを磨けるのも魅力のひとつ。一方、ろくろ職人は、木の特徴を的確に捉え、木のぬくもりを生み出すため、木とふれ合う時間が好きな人にも適しているといえます。

 ろくろ職人への道

まずは現場に入って経験を。
会社や職人のもとに弟子入り

ろくろ職人には、特に学歴や資格は必要ありません。職業能力開発施設、漆芸研究所などで、漆の基礎的な知識のひとつとしてろくろ挽きを学ぶこともできますが、個人のろくろ職人や漆器製造会社に就職して、修行する方法が有効です。見習いとしてろくろ挽き、道具づくりを経験して、自分で工夫することが大切。最終的には、何でも挽けるろくろ職人を目指しましょう。

この職人がつくるモノ・コト 椀、盆、皿、茶托
このワザに関わる資格 漆器製造技能士
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