どんな仕事?
写実的、絵画的など、多くの意匠を凝らして染め上げる
絹、綿、麻などの繊維製品を、手描き染め、型染め、絞り染めといった様々な技法で染め上げる職人です。力強い単色、写実的な草花模様、幾何学模様と技法や産地によって意匠は様々です。中でも有名なのが友禅染(ゆうぜんぞめ)。扇絵師で活躍していた宮崎友禅斎が、京都で染技法を確立したのをきっかけに、京友禅、加賀友禅、江戸友禅へと広がっていったのです。また、染めの工程には、デザインの立案から仕上げまで行う一貫体制と完全分業体制があります。どちらも奥深い着物の美しさを創出し、伝統技法を受け継ぎながら発展を続けています。
こんな人に目指してほしい
自分の色を創りだす。分業制は職人同士が刺激
一貫体制の場合は、立案から実施するため、着物に自分のデザインを確立したい人におすすめです。分業体制は、指示通りの色になっているかを判断する能力が必要ですが、染色作家や加飾の職人など、様々なプロと切磋琢磨し合えるのが魅力のひとつです。染色で大切なのは、「主人公=着る人」という心。染付職人は、あくまでも脇役。着る人が、より美しく、より洗練されて見えるように染め上げるのが職人です。一方、友禅染のように画期的なデザインを開発すれば、技法に自分の名前を付けられる夢もあります。
染付職人への道
染色専門の学校が充実。
伝統工芸職人の多くは関西~関東。
着物染色工芸科を擁する東京染色美術学院をはじめ、芸術系の大学で学ぶことができます。学校では、染付職人の職場や、さらなるステップアップ先を紹介してくれる可能性が高いです。また、職場となる染物製造会社は、友禅染を代表に関西から北陸、関東などに多く分布。熟練したワザ、精神力、デザイン感覚を習得するのに、10年以上の修業期間が必要だといわれています。
この職人がつくるモノ・コト | 着物地、羽織、帯、小物、コート |
このワザに関わる資格 | 染色技能士 |
こんな職業も見てみよう | 絞り職人 手描き職人 |