寿司職人

 どんな仕事?

お国柄が宿る様々な種類がある寿司。接客も大切な仕事

巻きずし、ちらしずし、いなりずし、にぎりずしなどの一般的に知られる寿司のほか、全国各地に地域性が色濃く反映された寿司があり、それぞれつくり方は異なります。たとえば、一番メジャーなにぎりずしの場合は、仕入れた魚介類を包丁でさばき、しゃり(酢飯)をつくり、客前で握ります。一人前の寿司職人は、カウンターの前に立ち、オーダーをとりながら握り、接客も行います。接客では、ユーモアあふれる話術で「食」の時間を一層上質なものへと高めます。また、店を閉めた後は、職人の大切な商売道具である包丁を研ぎ、翌日の仕事に備えるなど、真摯な姿勢で仕事に取り組むのが寿司職人でもあります。

 こんな人に目指してほしい

手先の器用さが不可欠。海外で働きたい方にもおすすめ

寿司は、素材をそのまま生かした料理であるため、魚市場での仕入れが全てを左右するといっても過言ではありません。また、市場ではより良い素材を手に入れるため、素材となる魚介の善し悪しを瞬時に選別できる、豊富な知識が必要です。仕入れてきた魚介のさばき方・保存の仕方一つをとってみても、素材の生き死にがかかっています。そのため、包丁の扱いに慣れている方が相応しいといえます。また、握りずしの場合、シャリとネタの調和が命ですので、繊細な握り方が求められます。一人前になればお客さんの目の前で握りながら接客も行うので、コミュニケーション能力に優れていると尚良いでしょう。一方で、寿司は今やワールドワイドな日本料理なので、自分の腕のみで世界を股にかけて仕事をしたいと考える方にも目指して欲しい仕事です。

 寿司職人への道

中・高卒業後の弟子入りも多数。
実力次第で独立もかなう

寿司職人を目指す方の傾向としては、中学校や高校卒業後など、比較的若い内から寿司職人に弟子入りし、腕を磨く方が多いようです。「調理師」、「専門調理師・調理技能士」の資格を持っていると就職に有利ですが、どちらも実務経験が受験資格に必要ですので、弟子入りしてからの取得となります。弟子入り後は見習いとして、雑用をこなす日々が続きますが、一つ一つが勉強です。雑用を含めた全体のすし店の流れを一から知ることで、独立後の糧にもなります。しばらくすれば、市場に出向く先輩に同行し、ネタの善し悪しの判別の仕方を教えて貰えることでしょう。寿司職人になるための技術や知識を一通り学び、一人前になるまで、通常3?5年と言われています。この2年の差は、腕次第ということであり、実力を養えば独立も実現できます。

この職人がつくるモノ・コト 寿司
このワザに関わる資格 調理師 専門調理師・調理技能士
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