大工

 どんな仕事?

家づくりの中心人物として、柱や梁を組み上げる

主に、木造の建築物を建てる職人です。一般的な日本の木造住宅は、梁と柱を組み合わせた「木造軸組工法(もくぞうじくぐみこうほう)」と呼ばれる建築手法が中心です。具体的には、設計士が描いた設計図をもとに、槌(ツチ)、鑿(ノミ)、鋸(ノコギリ)、鉋(カンナ)などの道具を使い分けて、木材を加工。柱や棟、梁をつくり出し、寸分の狂いなく住まいを組み立てます。現在は機械化が進み、プレカット工場で加工された木材を使う場合もあります。「木造軸組工法」のほか、欧米から採り入れられた「木造枠組壁(わくぐみかべ)工法」も普及。さらに、高齢者に対応したバリアフリーや地震に強い家など、新しい技術が求められています。そのため大工は、昔の伝統技法を踏襲しつつ、新しいことにも挑戦しています。

 こんな人に目指してほしい

木の質を見極めて加工。職人を束ねるリーダー性も必要

建築に興味がある人はもちろん、高いところが好きな人、木に触れたい人、日本の伝統技術を継承したい人におすすめです。実際の家づくりは、施工主(せこうぬし/住む人)、設計図を描く設計士、壁を塗る左官などと連携して取り組むため、コミュニケーション能力が大切。特に、大工をまとめる棟梁(とうりょう)・親方(おやかた)は、現場の責任者としての資質が問われます。家が完成した後も、住まいの補修や改築を引き受けるなど、長く見守る愛情が必要です。

 印伝職人への道

主に工務店や建築会社へ。
資格を取得すれば設計も可能

中学・高校を卒業後は、建築系の大学や専門学校、職業訓練校で、基本的な大工の知識や技術を習得することができます。その後、工務店や建築会社への就職、大工への弟子入りで見習いになります。現場経験を積むことで、「建築大工技能士」などの資格を取得可能。設計図から家づくりに携わりたい人や大規模な木造住宅をつくりたい人は、建築士の資格が必要となります。一人前として認められたら、大工をまとめる棟梁として活躍も期待できます。

この職人がつくるモノ・コト 日本家屋
このワザに関わる資格 建築大工技能士、一級・二級建築士、木造建築士
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