京都府 京うちわ

 京うちわの歴史

江戸時代に御所うちわを採用し
江戸時代朝鮮うちわを独自の形に

京うちわ南北朝時代、朝鮮うちわが京都府・深草(ふかくさ)に伝わったのが起源と言われています。江戸時代以降には、柄(持つ部分)とうちわ面を別々につくり、後から柄を差し込む「差し柄」の構造が発達。これは、宮廷御用として有名だった、土佐派や狩野派などの絵師による「御所うちわ」がルーツだと伝えられています。その後、庶民にも使われるようになり、京うちわの基盤を築きました。現在では、日本三大うちわ(房州うちわ、丸亀うちわ)のひとつして、受け継がれています。

 京うちわの魅力

あおいで楽しみ、飾って楽しむ。
緻密な絵画が上品な雰囲気を生む

京うちわ優美な絵画が施された京うちわは、涼しさを与えるだけでなく、見る人の目をも楽しませてくれます。京うちわで使用する地紙の箔は金銀。柄には天然の漆を施し、柔らかな手触りを感じられます。実用品として用いるほか、室内の壁に掛ける装飾用も人気があります。四季を伝える風景はもちろん、源氏物語や神話などの絵画が、室内を上品に彩ります。現代の京うちわでは、「すかしうちわ」も有名。絵画の部分だけに紙を貼ることで、向こう側が透けて見えます。目でも涼しさを感じることができる風流な一品です。

 京うちわができるまで

分業で、多くの職人が携わる。
丁寧なワザと手の早さが息づく

京うちわができるまで京うちわは、大きく分けて4つ(うちわ骨加工、うちわ紙加飾、裏張り加工、仕上げ加工)の工程で作られます。それぞれの工程に、各職人が携わる分業で生産。多くのワザが融合して京うちわができているのです。まず、うちわ骨加工は、切り出された竹を輪切りにすることからスタート。その後、割竹?へぎを経て、裏張り加工(裏張り加工?めくり)へと回されます。裏張り加工後、仕上げ加工にうつりますが、この工程で大切なのが、丁寧なワザ。念ベラという道具を使って、うちわ紙が貼られたうちわ骨に筋をつけていきます。京うちわ独特の風情は、ここから生み出します。最後に、うちわ面に柄をつけて完成です。

主な産地・拠点 京都府
このワザの職業 うちわづくり職人
ここでワザを発揮 うちわ
もっと知りたい 京都扇子団扇商工協同組合
京都伝統産業ふれあい館