箔づくり職人

 どんな仕事?

1万分の1ミリにこだわる。薄いのに、輝きはそのまま

金を主とした合金(少量の銀・銅を混ぜる)をつくって、0.0001ミリになるまで打ち伸ばす職人です。人間の髪の太さは、約0.08ミリ。これほどの薄さをムラなくつくるのに、職人の技が重要なのは言うまでもありません。金箔は工芸材料としての役割が多く、焼き物や漆、仏壇などの装飾に使われています。どんな複雑な模様にも、金の輝きを損なうことがないため、様々な製品に用いられています。また、日本の金箔生産で有名なのが、石川県の金沢箔。全国の98%以上を生産しており、京都の名所・金閣寺にも使用されています。人々を魅了してやまない金の美しさのほとんどは、ここから発信されているのです。

 こんな人に目指してほしい

国境を越えた美しさで、世界とたたかう

着物の気品ときらびやかさを引きだしたり、仏像の荘厳な印象を深くしたりなど、金箔は芸術的な作品をも仕上げる大切な材料です。そのため、様々な技に自分の金箔が活用されるうれしさがあります。時には歴史的価値のあるもの(金閣寺など)に使われるかもしれません。金は国境を越えて認められている価値・美しさなので、世界を舞台に勝負ができます。日本だけでなく、世界にも挑戦したい人におすすめです。また、1万分の1ミリにする箔づくりは、まさに職人ワザ。1分に700回打つ機械を駆使するなど、風合いある光沢を生み出すのには、繊細な神経が必要です。

 箔づくり職人への道

98%以上を生産する金沢へ。
根気強く、紙の仕込みから

資格などは特に必要ありません。金箔の場合、98%以上は金沢市で生産されているので、現地を実際に見てみましょう。機械打ちでは、ものすごい振動と騒音がこだまするほど、大変な環境での作業。また、金を直接ハンマーで打つのではなく、紙に挟んで打つため紙の質も重要です。紙仕込みに、およそ4カ月かかるといわれており、忍耐力がいります。

この職人がつくるモノ・コト 神社仏閣、仏壇仏具、織物の金糸・銀糸、漆器の蒔絵・沈金、陶磁器の絵付け、屏風・襖紙・壁紙、看板・金文字・水引き・表具用
このワザに関わる資格 特にありません
こんな職業も見てみよう 型紙彫刻師